雀魂でガチャを引くための麻雀押し引き

　雀魂というゲームを紹介されました。

　いわゆる萌え系の麻雀ゲームです。トップ画の女の子もかわいいし、Twitterで登録できるからと言われてとりあえずやってみたわけです。するとどうでしょう。立体的な画面。リアルな打牌モーション。派手な演出。

懐かしの雀龍門そのものじゃないですか！やったー！

　無料美麗CGで一世を風靡した雀龍門。リーチBGMで気分を盛り上げてくれた雀龍門。場代システム導入で課金クソゲー化して急速に過疎った雀龍門......

　あまりの雀龍門感になつかしさで号泣してしまいました。ドラが光る、聴牌すると待ちの枚数を表示してくれるといったお助け機能も同じでうれしいところです。

　対戦相手の平順や副露率などを確認できるのもこれまたうれしいポイントで、平順2.5切ってる相手なんかだと無筋をバシバシ切ってくれるのでバカホン上等クソリー上等脳汁ブッシャーわーいわーいってなります。俺は強い相手と打ちたいんじゃない。麻雀で勝ちたいだけなんだ。
　

　というわけで、ここ最近は無料会員として一日数戦ほど雀魂を打っています。

　雀魂最大の売りは可愛らしい女の子たちでしょう。かわいい子たちがあいさつしてくれます。チーポン鳴いてくれます。画面の中からこっちを見てくれます。愛らしいですね。初期キャラの猫ちゃんも結構気に入っていて、気色悪い笑みを浮かべながら打っています。

　とはいえ、100戦ぐらいチーポンの発声を聞いているとやっぱり飽きてくるわけです。そして対戦相手が他キャラを使っているのを見ると浮気したくなるわけです。そう考えると、雀魂の攻略、それはすなわち「キャラクターを手に入れること」なのではないでしょうか。

　俺はより高いランクで打つのを目標に雀魂をやってるんだ、という方もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、悲しいかな、最近のインターネッツでは、麻雀の実力は天鳳基準で語られることが多いわけです。雀魂の高段位なんて歯牙にもかけてもらえません。つまり雀魂では麻雀の戦績を求めずにキャラクターで脳髄を溶かすのが一番賢い。

　さて、キャラを手に入れるだけなら何も難しいことはありません。魔法のカードを切ってガチャを天井するだけです。しかしながら、私のような穀潰しの学生に課金するお金の余裕なんてありません。週末お馬さんが走るとなぜか財布が軽くなるので。
　金がないなら頭を使うしかありません。というわけでこんな乞食でもどうにかこうにかキャラクターを入手するにはどうすればいいか考えましたので備忘録かねてまとめようと思います。本題は順位の価値の議論以降なので雀魂をある程度分かっている方は適当に飛ばしてください。

 目次

1. 雀魂の特徴

　私の思う「攻略」に重要な雀魂の特徴をまとめました。ちゃんと詳しく知りたきゃ目の前にある機械に「雀魂　攻略」とでも打ち込めばいいんじゃないですかね。

・天鳳同様のラス回避段位システム

　段位は

　　初心→雀士→雀傑→雀豪→雀聖→魂天

と上がっていきます。各段位はランク1からランク3まであり、各ランクで段位ポイントをMAXまで貯めるとランクアップし、レベル3でMAXになると昇段します。

　また段位によって打てる部屋のレベルが異なります。下から

　　銅の間→銀の間→金の間→玉の間→玉座の間

となっていて、「銅の間」には初心と雀士しか入れず、「銀の間」には雀士と雀傑しか入れません。この辺はやってればわかる。

　四人麻雀の場合、天鳳と同様に1位と2位にはポイントが与えられ、ラスだけマイナスになります。天鳳と違い素点もポイントに加算されるので、トップ目でもガンガン攻めて点棒を拾うのが有効らしいです。ホンマかいな。

・対戦でコインを賭け、場代も必要

　はい出ました雀魂のクソシステムその1。

　雀魂には「コイン」と呼ばれるゲーム内通貨があります。銀の間以上で打つには場代としてコインが必要となるほか、レートに応じて対局者間でコインを奪い合います。銀の間東風の場合、場代が500コインでレートは1pt(1000点)50コインです。要は点5です。東風より半荘のほうが高レートで、また部屋が上がってもレートが上がります。

　場代はどの卓・部屋でも10pt相当です。雀荘の場代が点5で8pt(400円)相当ぐらい、点ピンで6pt(600円)相当ぐらいと考えると相当高いのがわかると思います。

　コインを使うとキャラクターの好感度を上げることのできる「贈り物」を購入できます。贈り物はキャラクターや演出のガチャを引くのに必要な「星のかけら」を集めるのにも必要な重要アイテムです。

・対局に入場料(最低金額)が必要

　雀魂のクソシステムその2にして諸悪の根源。

　コインを奪い合う仕様上スカンピンでは打てません。そりゃそうだ。雀荘だって入店時両替ありますもん。例えば点5相当の銀の間東風の場合、最低2500コインを持っていないと入ることができません。

　残りコイン数が一定より少ない場合一日一回運営からお情けのコインがもらえますので打てなくなることはありませんが、凶悪場代システムと相まって一日に打てる対局数にどうしても限りができてしまいます。そんなんだから過疎ってるんですよ(悪口)。

・25000点持ちの25000点返し。5-15のウマあり。

　オカありに慣れている方(普通の方)なら「25000点持ちの30000点返し、4位から2位に10ptのウマ」と言ったほうがわかりやすいかもしれません。この最終点数を元に段位ポイントとコインが変動します。

2. 無課金でキャラを手に入れたい

　キャラクターを手に入れるにはガチャを引く必要があります。雀魂のガチャでは、キャラクターだけでなくリーチや和了の演出、牌の着せ替えなどが排出されます。キャラクターの排出率は5%とかなり厳しめに設定されており、計算すると10回引いてキャラが出る確率は40%、20回でも65%にしかなりません。

　ガチャを引くには「輝石」200個か「祈願の巻物」を消費する必要があります。輝石は課金アイテムなのでブルジョワジーの皆様は魔法のカードを切ってください。私のような乞食がガチャを引くのに必要なのは「祈願の巻物」の方で、これは「星のかけら」50個と交換で入手できます。無課金でガチャを引くにはどれだけ星のかけらを入手できるかにかかっています。
　

　無課金で星のかけらを手に入れるには、キャラの好感度を上げるアイテムである「贈り物」を奉納(＝キャラに使わず消費)する必要があります。贈り物には「緑」、「青」、「紫」の三種があり、それぞれ消費すると星のかけら1個、5個、30個に変換できます。贈り物を入手する方法はざっと3つです。

・イベントで入手

　普段は知らんが少なくともGW中のイベントではできた。

・コインで購入

　「贈り物(緑)」は15000コイン、「贈り物(青)」は75000コインで購入できます。それぞれ星のかけら1個、5個と交換できるので、星のかけら1個＝15000コインと言えます。

・対局でドロップ

　「銀の間」以上だと順位に応じて「宝箱開錠点数」がもらえ、1000ポイントたまるとアイテムが2つドロップします。このドロップの中に贈り物が含まれています。順位によってもらえる点数は以下のようになります。

宝箱開錠点数	1位	2位	3位	4位
東風	260	130	95	60
半荘	360	180	130	80

東風戦の一着一回は宝箱0.26個分の価値があるというわけです。
さて、ここで「持つ所が肉球の感触」様の雀魂まとめ(http://nekomimi.ws/~nikukyu/jantama/)に宝箱の中身の統計データがあるので使わせていただきます。

銀の間の宝箱を90回ドロップした結果、180アイテム中

　　贈り物(緑)：104個

　　贈り物(青)：14個

となったとのことです。ここから銀宝箱のドロップ率を適当に
　　贈り物(緑)：50%～60%

　　贈り物(青)：5%～10%
と仮定しますと、銀の宝箱一つあたりから期待できる星のかけらの個数は、
　　(0.5×1+0.05×5)×2=1.5(個)以上

　　(0.6×1+0.1×5)×2=2.2(個)以下

と見積もれます。

金宝箱だと、130回ドロップした結果260アイテム中
　　贈り物(緑)：103個

　　贈り物(青)：51個

とのことで、ここから金の間の宝箱のドロップ率を
　　贈り物(緑)：40%

　　贈り物(青)：20%

と仮定すると金宝箱一つあたりの星のかけらの期待値は
　　(0.4×1+0.2×5)×2=2.8(個)

となります。
　出現率は適当に決めています。そんなに変な数値にも設定しないだろうというメタ読み。

3. 順位の価値

　本題です。

　ここまでをまとめると、

　　　ガチャ一回＝星のかけら50個

　　　15000コイン＝星のかけら1個

　　　銀の宝箱＝星のかけら1.5～2.2個

　　　金の宝箱＝星のかけら2.8個

ということになります。これをもとに順位あたりの星のかけら期待値を計算します。
　

　期待値はコイン収入と宝箱収入の合計で求められます。
　雀魂のポイント計算ルールは25000持ち25000返しのウマ5-15です。レートは銀東風・銀半荘で1000点あたり50・70、金東風・金半荘で100・140で、場代はどこでも10ptです。よってコインによる星のかけらの収入は以下の式で求められます。

　　終了時ポイント＝((素点)-25000)÷1000＋(順位ウマ)－(場代10pt)

　　コイン由来星のかけら収入＝(終了時ポイント)×(レート)÷15000

また宝箱による星のかけら収入は以下の式で求められます。 

　　宝箱由来星のかけら収入＝(宝箱開錠点数)÷1000×(宝箱あたり期待値)

はい。というわけで計算しました。便宜上1位：40000点、2位：30000点、3位：20000点、4位：10000点としました。表を成型するのもだるいしExcelコピペ画像。
　

　コイン収入が与える影響は順位が上がるにつれて下がっていきます。トップだとコインの価値は宝箱の価値の20%以下になってしまいます。先ほど順位にとらわれず素点を稼ぐのが有効らしいと書きましたが、得点を重ねるより局を消費するほうがよさげに見えます。

　2着の場合、3位に落ちるマイナス分と1位に上がるプラス分を比べると、1位の増収が3位落ちの減収より倍以上大きいです。すなわち、1/3でトップになるが2/3で3位に落ちる条件なら、1位を目指した方が有利なわけです。何なら4位に落ちた時の減収分よりトップの増収分のほうが大きくなります。レートに対する宝箱価値の高い銀の間東風なんぞになるとさらにそれが顕著になります。

　また、半荘より東風のほうが1位に上がった時の価値は高いようです。

　次に3着の戦略を考えてみましょう。3着→2着の増収分と3着→4着の減収分は同額です。ですから純粋に得られる星のかけらだけを考えてみようと思います。

　宝箱の価値がレートに対して高い場合(例：銀の間東風  2.2に対し50)、ラスの減収は3位で得られる星のかけらの1％ほどでしかありません。つまりラスを引いた時のデメリットがほぼ消えるわけです。この場合厳しい条件でもガンガン上位を狙っていくのが賢い戦略になります。

　一方、宝箱の価値がレートに対して低い場合(例：金の間半荘  2.8に対しレート140)、2着に上昇すると星のかけらの収入は3倍になります。また3位で得られる星のかけらと4位で失う星のかけらはほぼ同じです。ですから、2着に上がる価値は比較的高く、また3着確定アガリをするのも悪くないでしょう。

　結論を言いますと、

• どちらの間でも1位を取るのが非常に重要
• 銀の間(特に東風)はとにかくゼンツして順位を一つでも上げるのが有利。わざわざラス回避のために3確アガリなどをする理由がない
• 金の間(特に半荘)は、順位上昇の価値は当然高いが着順維持もかなり重要

となります。

4. どこの部屋で打つべきか

　銀の間と金の間で比較します。まだ私が雀傑で玉の間以上では打てないので。

　私の実力は、四麻は大昔に天鳳特上にタッチした程度で、最近は三麻ばかりやっていて275戦で五段R1940です。収束するほど打ってないのであまり意味はありませんね。はい。
　体感的には、銀の間は天鳳一般卓より弱いぐらいです。平均順位2.5を下回っているプレイヤーがゴロゴロいます。東風を80戦ほど打ってだいたい1位35%、2位35%、3位20%、4位10%くらい(平順2.05)の成績でした。

　金の間はまだ20戦も打ってないので何とも言えませんが、低めに見積もって1位30%、2位30%、3位20%、4位20%ぐらい(平順2.3)になりそうな気がします。
　この条件で東風・半荘一戦あたりの星のかけら収入期待値を計算すると以下のようになりました。

　一戦あたりの収入期待値だけで見ると、金の間で東風を打ち続けるのが一番賢いことがわかります。東風一戦で0.37稼げるので、星のかけらを50貯めてガチャを一回引くのに必要な対戦数はざっと135戦ぐらいです。バイトして課金したほうが賢そう。

　ただ、雀魂には入場料(対局に必要な最低コイン金額)という概念があり、2位以上を維持し続けると手持ちコインが減らないため、結果的に一日で打てる局数が増えます。そのため、もし銀宝箱の価値が高い場合、銀の間でNoobをしばき続ける方が日数あたりのガチャ引き回数は増える、かもしれません。ま、可処分時間で決めるのが妥当なんじゃないですかね(適当)。

5. まとめ

　この記事書くために貴重な20代の一日を潰した。雀魂で消耗してるの何。アホでしょ。

　明日(今日)のNHKマイルカップは5枠9番ラインベックの激走に期待しています。

おわり